
Zendesk は 10 年以上にわたり、企業による優れた顧客体験の提供を支援してきました。そのプラットフォームは、毎年 46 億件を超える解決を支えています。
2023 年初頭、Zendesk は AI がサービスと製品開発をどう変革できるかを探るため、OpenAI と緊密な連携を開始しました。現在 Zendesk は、OpenAI のモデルを活用した新しいクラスの AI エージェント(新しいウィンドウで開く)を試験運用しています。これらは会話全体を管理するだけでなく、応答を自律的に計画し実行します。
- セットアップ時間を数日から数分に短縮
- 自動化率を80%に近づける
- AI の振る舞いをチームが完全に制御
従来型の自動化に関しては、どれほど高度なサービスプラットフォームでも限界があります。標準的なモデルは意図分類に依存していました。意図を予測し、定義済みの対話やワークフローを起動し、あとは顧客がその流れに従うことを期待するというものです。
この仕組みは構造化されたやり取りには有効でしたが、微妙なニュアンスや追加の質問、例外的なケースには、すぐに対応できなくなりました。
Zendesk の CTO である Adrian McDermott はこう語ります。「以前の世界は、メッセージを受け取って応答を返すだけでした。実際の顧客は考えを変え、確認の質問をし、AI が自然についてくることを期待します。サービスにおいて唯一重要な成果は解決であり、これまではボットがそれを実現する力には一定の限界がありました。」
Zendesk はまず、基本的な FAQ 対応において、Retrieval-Augmented Generation(RAG)を用いた生成型の手法の採用に向け、OpenAI との取り組みを開始しました。現在は、AI エージェントが自律的に計画しタスクを実行できる生成的推論へと重点を移しています。
Zendesk の新しい自律型 AI エージェントは、サービス用途に特化して設計されています。GPT‑4o などの OpenAI モデルを搭載したこれらのエージェントは、単に質問に答えるだけでなく、会話を主導し、文脈に沿って推論し、解決へと導きます。
このプラットフォームは、次のような専門エージェントで構成されるマルチエージェントアーキテクチャを活用しています。
- タスク特定エージェント: 手動での設定や調整に頼るのではなく、この AI エージェントは実際の会話を通じてユーザーのニーズを理解し、確認の質問を行い、似た問題を識別して切り分けます。
- 会話型 RAG エージェント: 複数ターンの会話に基づいて従来の RAG を拡張します。たとえば、ユーザーが支払い方法について尋ねた場合、エージェントは地域別ポリシーを取得する前に、ユーザーの所在地を確認する追加質問を行えます。
- 手順作成エージェント: このエージェントは、自律性と制御のバランスを取りながら、自然言語による業務ルールを構造化フローに変換し、AI が企業の手順をどのように実行するかを理解し、視覚的にも反映できるようにします。
- 手順実行エージェント: API を呼び出し、ワークフローを起動し、システムを更新することで、企業が定義したロジックの範囲内でアクションを実行します。
RAG と推論を組み合わせることで、Zendesk の AI エージェントは複数ステップの会話に対応できるようになりました。追加質問を行い、ユーザー入力に応じて応答を適応させます。これにより、柔軟性のない対話フローに頼ることなく、複雑な問題を自律的に解決できます。
McDermott はこう語ります。「品質と正確性に関する Zendesk のガードレールの範囲内で動作しながら、会話を導くうえでボットにより大きな自律性を持たせました。このプロセスは、解決へ導くことを強く重視しながら、顧客の問題を理解することから始まりました。」
Zendesk の AI エージェント開発における大きな変化の 1 つは、ハイブリッド開発モデルへの進化です。これにより、エージェントは 1 つの会話の中で対話フローと生成される手順をシームレスに切り替えられるようになりました。
新しい AI エージェントビルダーでは、企業は自然言語で手順を定義できます。AI エージェントはその後、適応型推論を用いて行動計画を立て、本番稼働前に提案する手順をプレビューで確認できるようにします。
AI 推論コントロールは、AI エージェントがどのように考えているかをリアルタイムで可視化し、チームがエージェントの思考の連鎖(CoT)を確認して判断に至る過程を理解することで、あらゆる会話を監査できるようにします。
この変化により、セットアップ時間は数日から数分へ短縮され、生成的自動化をより多くの Zendesk の顧客が利用できるようになります。
「AI 導入における最大の障壁を取り除くことができました。お客様は今、新しい自律型 AI エージェントをすぐに利用できます。」
Zendesk は内部で厳格なベンチマークプログラムを運用し、最適なモデルの選定と導入、さらに各ユースケース向けのプロンプト調整を行っています。チームはレイテンシ、コスト、品質を考慮し、RAG からバックグラウンド推論タスクまで幅広いユースケースで OpenAI の o3‑mini のような新しいモデルをテストしています。
このプロセスにより、Zendesk は新しいモデルを 24 時間未満で評価、テスト、導入できます。
Zendesk は導入前後の両方でパフォーマンスを追跡し、オフライン評価と、解決率、編集率、レイテンシといった本番環境での指標を活用しています。各モデルの判断は文書化され監査可能であり、システムの進化に合わせて透明性と信頼性が確保されます。
今年、Zendesk はこの取り組みをさらに一歩進める計画です。セルフサービス型ベンチマークプラットフォームを展開し、Zendesk のあらゆるエンジニアリングチームが、機械学習の専門家による実地支援なしでモデルをテストし導入できるようにします。
Zendesk は現在、先行導入顧客とともに新しい自律型 AI プラットフォームの試験運用を進めています。このプラットフォームは既存環境に簡単に統合できるよう設計されており、ゼロから作り直すことなく、顧客の自動化率 80%への到達を加速します。
より広範な指標は 2025 年後半に公開予定ですが、初期のフィードバックは非常に良好です。導入はより迅速になり、応答精度は向上し、あらゆるチャネルでユーザージャーニーがよりスムーズになっています。


