本日は、エンジニアによる実物の製品の設計、シミュレーション、製作を支える OpenAI モデルの進歩をご紹介します。これらの能力は、機械工学や電気工学からシステム設計の全工程まで幅広く及び、すでに社内チームのアイデアの検証や改良のスピード向上に役立っています。
こうしたプロジェクトでは、エンジニアは専用ツールを用いて、機械設計、電子回路、ソフトウェア、製造要件を統合する必要があります。私たちは、図面の作成やシミュレーションの設定から、分野をまたぐ変更の調整まで、こうした業務を支援できるようモデルを学習させています。目標は、エンジニアがアイデアの検討や設計の改善に使える時間を増やすことです。
この 1 年間、フロンティアモデルの能力向上によって、社内チームは新しいアイデアの検証や改良をより速く進められるようになりました。産業界の専門的なワークフローでも、こうした能力が改善につながる兆しが見え始めています。私たちは協力パートナーとともに、これらの能力が最も大きな効果を発揮する領域と、改善が必要な点を探っています。複雑な製品の設計、シミュレーション、製造、生産に携わるエンジニア、エンジニアリング企業、ソフトウェアベンダーの皆さまと協力し、実際にお使いのツールや解決すべき課題に即した取り組みを進めたいと考えています。
人間が直接修正を加えることなくデバイスを作れるかを試し、マルチモーダルおよびコンピューター操作のワークフローにおけるAstra の最先端の性能を検証しました。具体的には、ユーザーが Codex と会話できるデバイスを作るために、GPT‑6 を使って機能要件を定義し、筐体、プリント基板(PCB)、必要なソフトウェア連携を設計しました。
外観とデザイン:Astra は、最近の Work Louder(新しいウィンドウで開く) とのコラボレーションや、ゲーム、玩具を参考に、デバイスの外観をデザインしました。
機械設計:Astra は、筐体(新しいウィンドウで開く)と、部品を固定する内部構造を設計しました。
電気設計:Astra は電気部品を選定し、筐体に収まるよう、部品の配置や配線を含めたプリント基板(PCB)の設計を行いました。
UI/UX とソフトウェア:Astra はユーザーインターフェースを設計し、デバイスを Codex に接続するために必要なファームウェアとソフトウェア連携を生成しました。
チームメンバー 2 人が、通常業務の傍ら Astra とともにこの試験用デバイスを設計し、1 週間もかからずに完了しました。委託製造業者は、1 か月足らずで少量の試作品を製作しました。
ただし、製造できる状態に仕上げるには、レビューと修正を何度か重ねる必要がありました。Astra は、製造業者の生産上の制約、公差、組み立てに必要な細部を、常に考慮できていたわけではありません。こうした課題は、今後のモデルで改善すべき点の特定に役立っています。
OpenAI のハードウェアチームとインフラストラクチャチームは、Codex と ChatGPT を使って、コンピューター支援設計(CAD)モデルの作成・修正、製造図面の作成、シミュレーションの設定、設計レビューを行っています。その対象は、ロボティクスから計算インフラまで多岐にわたります。2 月以降、ハードウェアチーム全体のモデル使用量は、トークン数で 23 倍に増えました。
コーディングと工学の知識を組み合わせるタスクでも、新しいモデルの進歩を測定しています。BenchCAD 2.0 は、モデルが 3D の部品やアセンブリを再構築し、回路基板の接続を特定できるかを評価します。新しい社内モデルは平均スコア 0.875 を達成しました。対して、推論を最高設定にした GPT‑6 Astra の平均スコアは 0.594 でした。エンジニアリングのライフサイクルには設計以外にも多くの要素がありますが、この領域での能力向上は、AI モデルが専門的なワークフローにおける試行錯誤のスピードを高められることを示す初期の証拠だと捉えています。
私たちは少数の業界パートナーと協力し、実際のエンジニアリング課題に対して、これらの能力を検証しています。各社のエンジニアが、モデルの出力を正確性と実用性の観点からレビューしています。これにより、現時点でモデルが支援できるタスクと、安全で信頼性の高い利用に向けて改善すべき点を把握できます。
私たちは Chip Ganassi Racing(CGR)との協業を拡大し、OpenAI モデルでエンジニアリングや試作を加速する方法を探っています。同社の研究開発チームとともに、既存部品の 3D スキャンデータを、編集可能な CAD モデルや 2D の製造図面に変換するワークフローを検証しています。これは、元の設計ファイルが入手できない場合に特に役立ちます。
CGR のエンジニアは、モデルや図面の正確性と製造のしやすさをレビューしています。そのフィードバックは、モデルによって手作業を減らせる部分と、さらなる改善が必要な部分の特定に役立っています。
また、マツダとの新たな共同研究も発表します。私たちの研究チームとフォワード・デプロイド・エンジニアのチームは、マツダの空力および衝突安全のエンジニアと協力し、OpenAI モデルが新たな車両設計の開発・評価にどう役立つかを探っています。
この取り組みでは、気流や構造の挙動のシミュレーションを使い、スタイリングやコストを考慮しながら、性能向上の可能性を検討しています。今後数か月のうちに、さらなる進捗と成果をお伝えします。
GPT‑6 Astra は、新しいノーズ形状のモデリング、気流のシミュレーション、有望な設計案の改良を通じて、マツダの空力エンジニアによる車両の空気抵抗低減に向けた検討を支援しています。マツダ株式会社より使用許諾を得ています。他への転載・転用を固く禁じます。
私たちは業界パートナーや早期導入ユーザーと緊密に連携し、ハードウェアや製造の分野で AI エージェントにできることの限界を押し広げてきました。初期の成果からは大きな可能性が見えてきました。現在、能力の向上を加速し、産業の現場に安全に導入するための協力者を募集しています。
機械工学、電気工学、電気機械設計、メカトロニクス、または関連分野において、価値の高いユースケースやソフトウェアツール、将来の活用機会を見いだし、私たちのフロンティアモデルの学習・開発にご協力いただける方は、こちらのフォームにご記入ください。担当者よりご連絡します。


