V7 が AI エージェントに組織の記憶を与える仕組み
V7 は社内ファイルをエージェント用コンテキストに変換。最難関のグラフクエリテストで GPT‑6 Astra が正解率 89% を達成

成果
89%
最高難度のクエリにおける GPT-6 Astra の正解率
成果
78%
GPT-5.6 Luna による文書当たりのコスト削減
成果
+11.6 ポイント
GPT-5.6 Luna による精度向上
現在のモデルは複雑なタスクを推論できますが、その背景にあるビジネスコンテキストを自動的に理解するわけではありません。どのファンドレポートが最新版なのか。同じエンティティが 3 つのシステムでそれぞれ何と呼ばれているのか。
そのコンテキストは、文書、データルーム、スプレッドシート、メール、社内ツールに分散し、整理されないままエージェントから見えない場所にあります。金融、保険、不動産のチームにとって、ワークフロー内の検索精度に妥協は許されません。
広く利用されるコンピュータービジョンのアクセシビリティアプリを共同開発した後、Rizzoli 氏と Edwardsson 氏は、企業が AI システムに自社の業務の仕組みを学ばせられるよう、2018 年に V7(新しいウィンドウで開く) を設立しました。V7 Go は、ミッションクリティカルなワークフローを構築し、埋もれたコンテキストを、エージェントが照会して行動に移せるメモリへ整理するエージェント型プラットフォームです。
V7 Go は GPT‑5.6 Luna で数百万件のファイルから情報を抽出し、エンティティ、関係性、引用証拠を結び付ける Context Graph に整理します。これにより、MCP 検索と数百ステップに及ぶ再現可能なワークフローを実現します。ワークフローでは、V7 Go が GPT‑5.6 Terra と Sol を使用し、人間なら完了に何十時間も要する複雑な多段階の指示を、推論とツール利用によって処理します。V7 は、数千件の文書を横断する財務分析など、最も難しい Context Graph クエリで GPT‑6 Astra の利用も始めています。
V7 によると、コンテキスト、モデル、ツールを連携させることで、エージェントは 50~100 ステップのワークフローを数分で完了し、すべての判断について監査可能な記録を残しながら、99.9% の精度を達成します。
「金融や保険にまたがる難しい企業ユースケースを解決するには、AI がインターネットから学んだのと同じくらい深く、企業の業務の仕組みを学ぶ必要があります」
Context Graph は、ある具体的な課題を解決します。エージェントはリクエストのたびにコンテキストを探し直す必要があり、何十回もの検索で時間とトークンを費やすうえ、関係性の中に埋もれた重要情報を見落とすことも少なくありません。
データが届くと、V7 Go は SharePoint や Google Drive などのリポジトリに接続し、エンティティ、関係性、事実、属性、指標をスキャンしてグラフに取り込みます。このグラフは、長いコンテキストを使う手法よりも桁違いに低コストかつ高速に探索できます。
Context Graph は、エージェントが直接照会できる、構造化された最新の記録を提供します。新しいファイルが届くと、V7 Go は企業、ファンド、人物など、オントロジー内のあらゆるエンティティを特定します。各事実を新規または既存のレコードに関連付け、元の情報源を示す引用証拠も保持します。グラフに十分な情報がない場合も、V7 Go は RAG を使って基になる文書を検索できます。
V7 は、コンテキストの構造がどれほど重要かについても検証しました。企業システム全体に分散する情報を発見して結び付けるベンチマーク HERB では、V7 の検索専用システムが公式ベースラインを 69% 上回り、回答不能なクエリでのハルシネーションを 38% 削減しました。V7 Go は、情報源に紐付いたこのコンテキストを使い、複雑なワークフローを各社固有の情報に基づいて実行します。
V7 Go は、プライベートエクイティ案件のスクリーニングや保険引受などのワークフローで、この整理されたコンテキストを活用します。以下のデモでは、ワークフローが秘密情報覚書(CIM)と呼ばれる案件文書から情報を抽出し、主要財務情報、取引条件、経営陣の詳細、リスク項目とその出典を取り込んだ後、V7 Go がスクリーニングメモを作成します。
Context Graph により、モデルは企業の履歴を毎回学び直すことなく活用できます。長期間稼働するエージェントでは、V7 Go が直近のやり取りをモデルのアクティブコンテキストに保持し、古い情報をグラフに保存して必要なときに取得します。
この共有コンテキストにより、V7 の顧客では文書中心の業務がすでに高速化しています。
資産運用会社では、案件スクリーニングが従来の 21 倍高速になり、丸 1 日かかっていた工程がわずか 15 分に短縮
ある金融サービスチームでは、レビュー時間を 100 時間超から 10 時間未満に短縮し、タスク当たり 12,000 ドルの専門家費用を削減
保険チームでは、過去の全請求と既存契約に関する履歴情報をエージェントに与えた結果、手作業の基準と比べて保険金請求処理のエラーを 13.5% 削減
「GPT-5.6 Terra の導入により、以前はモデル向けにタスクを単純化するためだけに設けていた多くの中間工程を削除できました。より強力なモデルと豊富なコンテキストを活用できるため、提供作業を何日も短縮でき、ワークフローの初回構築時から正しく動作することも少なくありません」
複雑な多段階ワークフローでは、モデルが長い指示に確実に従い、ツールを実行し、結果を解釈しながら多数のステップを進める必要があります。上流工程のたった一つのエラーが、高額な損失を招き、AI システムへの信頼を損なう可能性があります。V7 Go は、決定論的なコード、小規模モデルへの引き継ぎ、ファイル生成、各種連携にまたがる長期的なタスクをモデルに遂行させ、実行ごとに監査可能な記録を残します。
AI が生成するワークフローでは、V7 Go が各ステップを高速、中程度、高性能の各階層に割り当てます。GPT‑5.6 Luna は構造化抽出などの大量処理を担い、GPT‑5.6 Terra または Sol はチャット、Go Agent の処理経路、より高度な推論やツール利用が必要なステップを支えます。
V7 は、引用の正確性、数百種類の文書における抽出品質、回答の正確性、指示への準拠、レイテンシ、コスト、実際の企業ワークフローを対象とする継続的に更新されたベンチマーク群で、新しいモデルを検証しています。V7 が最も重視する挙動では、OpenAI が大半のモデルを上回っています。さらに OpenAI は、V7 が利用する他社では数週間かかる処理能力の増強について、数時間で承認し実施しました。
「V7 Go が依存する多段階のツール活用ワークフローで最も優れた性能を発揮するため、OpenAI を標準として選びました。当社の Context Graph ベンチマークでは、GPT-5.6 Sol により、ツール呼び出しのエラー率が GPT-5.5 の 2.7% から 0.2% に低下しました」
V7 の最新ハーネスでは、外部呼び出しを複数含む主要ワークフローの完了時間が最大 50% 短縮されました。V7 は GPT‑5.6 Luna でも効率向上を確認しており、文書 1 件当たりのコストは GPT‑5.4 mini より 78% 低くなりました。V7 は、文書処理の多い V7 Go のワークロードも Chat Completions API から Responses API に移行しました。テストでは、この変更により PDF 処理の多い一部のワークフローでトークン使用量が約 5% 減少し、キャッシュの信頼性も向上しました。
V7 は、最も難しいクエリで GPT‑6 Astra もテストしました。GPT‑5.6 Sol は V7 の既存ベンチマークの多くで評価の上限に達していたため、同社は数千件の文書にわたる雑然とした実データを使い、より難易度の高いグラフクエリ問題を作成しました。テスト用データセットは、4 段階の難易度で構成されています。V7 によると、最高難度では GPT‑5.6 Sol の正解率が 78% だったのに対し、GPT‑6 Astra は 89% でした。易しい、中程度、難しいの各レベルでは、両モデルとも 100% 近い正解率を記録しました。
V7 Go はすでに MCP サーバーを通じて Context Graph の照会とデータ取り込みを提供しているため、顧客は ChatGPT やその他の互換クライアントから利用できます。Codex では、MCP を通じて V7 Go のワークフローを作成することもできます。ワークフロー設計の簡素化と相まって、中程度の長さのワークフローの作成時間は約 1 時間から約 20 分に短縮されました。
V7 の長期的な目標は、この共有メモリをさらに能動的に機能させることです。チームは、Context Graph 内の事実が変化すると起動し、不整合を警告して、再確認が必要な分析を示すワークフローの実現を目指しています。例えばファンドレポートが修正された場合、V7 Go は古い数値に依存したままの作業に警告を出せます。
「私たちの目標は、ミッションクリティカルなタスクを解決するワークフローと、人間を上回るメモリによって、企業が AI 時代に向けて体制を刷新できるよう支援することです」と Rizzoli 氏は述べています。「AI から真の価値を得る金融機関は、最も多くのエージェントを持つ企業ではありません。最も優れたコンテキストを持つ企業です」


