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OpenAI

2026年1月29日

大成建設、ChatGPT で人財育成を実現

大成建設は、ChatGPT Enterprise を人事部が主導して導入し、AI を使った「人財育成」に取り組んでいます。

ノートパソコンで ChatGPT を使用する大成建設のチームメンバー。
従業員数: エンタープライズ
地域: アジア太平洋とオセアニア
業種: 製造
製品: ChatGPT

結果

3,300

作成されたカスタム GPT の種類

結果

90%

週間アクティブユーザー率

結果

5.5 hrs+

1人あたりの業務削減時間(週あたり)

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大成建設は、1917年の創業以来、国内外でさまざまな建造物を手がけ、キャッチコピーである「地図に残る仕事。」のもと社会インフラを築いてきた、日本を代表する建設会社です。

しかし近年、大成建設はある問いに向き合うようになりました。 次に本当に築くべきものは、建物だけではなく「人」なのではないかと。

そこで、大成建設では人事部が主導し、「人財育成」という観点から ChatGPT Enterprise の導入を決断しました。生成 AI を単なる業務効率化のツールではなく、「人の可能性を拡張する技術」として位置づけた結果、従業員が AI を活用し、自分の限界を押し上げながら働き方を変え、さまざまな効率化にもつながっています。

「OpenAI Japan のスピード感と、私たちの文化や課題に対する深い理解がありました。『AI を導入する』のではなく、『AI を使いこなす人財を育てる』という考えに、真正面から寄り添ってくれたと感じています」
大成建設、人事部人財研修センター長、田中康夫氏

導入の舞台裏

多くの企業が生成 AI を「業務効率化の手段」として検討する中で、大成建設の出発点は異なっていました。 ChatGPT Enterprise の導入を主導したのは、人事部でした。 

決断の背景にあったのは、生成AIを単なるツールではなく、 「人の可能性を拡張し、働き方そのものを変える存在」として捉える価値観です。 人事部人財研修センター長の田中康夫氏は、「技術は、いずれ誰もが手にできるようになります。 だからこそ、競争力の源泉は『使いこなせる人』と『使いこなす文化』にあると考えました」 と語ります。

大成建設では、「人財育成」を経営戦略の中核に据えています。 ChatGPT Enterprise の導入も、その延長線上にありました。 ゴールは、AI を使える人を増やすことではなく、 AI と共に学び、自律的に成長する人財が育つ状態をつくることでした。

大成建設の都市開発の広がりを示す東京のスカイライン。

現場から生まれた「ミドルアウト」という考え方

ChatGPT Enterprise の展開において、大成建設が採用したのは、 トップダウンとボトムアップを組み合わせた「ミドルアウト型」の推進アプローチでした。 この考え方は、人事部で現場と制度の両方に関わってきた生成AI・イノベーション推進リードの糠澤研太氏が、生成 AI 活用を進める中で提唱したものです。 

「トップの意思決定だけでは、現場は動きません。 一方で、現場の熱量だけでは、経営層のコンセンサスを得るのが難しく組織全体には広がらない。 その間に立ち、両者を翻訳する役割が必要だと感じていました」 

糠澤氏は、生成 AI の導入で最も難しいのは技術ではなく、 人の受け止め方をそろえることだと考えていました。糠澤氏は、「AI を便利そうだと感じる人もいれば、不安を覚える人もいる。 そうした受け止め方の違いを無視したままでは、AI は組織に根づかないと思いました」 と振り返ります。

この問題意識から生まれたミドルアウトという考え方は、人事部内で共有され、 田中氏をはじめとする関係者によって、組織的な推進モデルとして採用されていきました。 

その結果、研修、イベント、コミュニティ形成、ハッカソンなどの施策が設計され、 AI は「会社から与えられたツール」ではなく、 

「自分の仕事を支える存在」として現場に浸透していきました。

現場での AI 活用と安全文化を象徴する大成建設のヘルメット。

「便利さ」より先にあった、安心して使えるかという問い

AI 活用が日常業務に広がる中で、社内に分散する情報を、どのように安全に扱うかという点が課題となりました。

大成建設が、生産性向上の施策として注目したのが、ChatGPT のアプリ機能でした。 Microsoft 365 や Box など、複数のサービスに分散した情報を横断的に活用できる点は、現場にとって大きな価値があります。 

一方で、「情報統制」や「誤生成リスク」への懸念もありました。 糠澤氏は、この懸念に向き合いつつ「最初に考えたのは、便利さよりも本当に安心して使ってもらえるかという点でした」 と振り返ります。

糠澤氏は情報企画部と協働し、アクセス制御、利用ログの整備、教育体制の構築、 定期的なモニタリングなど、ガバナンス設計を一つひとつ積み上げていきました。 

しかし重視したのは、制限そのものではありません。 

「ルールで縛ることが目的ではありませんでした。 なぜこの制限があるのかを丁寧に説明し、 全社員が安心して試せる環境をつくることが大切だと考えていました」 

部門単位で参照範囲を制御する運用と、継続的な教育を組み合わせることで、 大成建設は「安全性」と「活用」を両立させた環境を実現しました。

数字が示すのは、文化の変化

現在、大成建設では ChatGPT Enterprise 導入後に次の成果が確認されています。

  • 週間アクティブユーザー率:90%
  • 1人あたりの業務削減時間:平均週5.5時間以上(年間約260時間相当)
  • 作成されたカスタム GPT:3,300種類
  • 作成されたプロジェクト:3,800種類
  • ChatGPT Enterpriseの継続希望率:99%


しかし、より大きな変化は現場に表れています。 

若手社員が AI を活用し、ベテラン社員と同等のアウトプットを出し、ベテラン社員が、若手育成において AI の価値を実感しています。 「ChatGPT がないと仕事が進まない」という声が、自然に現場から起こるようになっています。

AI と共に働くことが、大成建設では、特別なことではなく当たり前になりつつあります。

田中氏は、「あきらめずに挑戦を続けられたことと、その挑戦に多くの社員が賛同し、大きな動きになったことが、ここまでの成果につながったと考えます」と分析します。

AI を導入するというのは、便利な未来を約束することではなく、人が安心して考え、AI と向き合い続けられる状態をつくることだと思っています。
人事部人財研修センター 生成AI・イノベーション推進プロジェクトリード、糠澤研太氏

人間中心の AI 活用モデルを、社会へ

大成建設が描く未来の中心には、 「全社員が生成AIを使いこなし、現場から人財が育ち、その変化を企業文化として受け入れる姿」があります。 AI は単なるツールではなく、共に働くパートナーとして組織に溶け込み、 日々の仕事の中で自然に価値を生み出し続ける存在になる。 

さらに大成建設は、この人財育成と業務改革を両立させたモデルを、 自社だけにとどめず、建設業全体、さらには社会へと広げていくことを目指しています。 OpenAI と共に歩んできたこの挑戦を、 産業や国境を越えた「人間中心の AI 活用モデル」として発信していくこと。 それが、大成建設の次の使命です。