OpenAI と Broadcom、LLM 最適化推論チップを発表
- 初期テストでは、第 1 世代アクセラレーターのワット当たり性能が現行の最先端を大きく上回る見込み
- 業界全体の現在および将来の LLM に向けてゼロから構築
- OpenAI のモデルにより加速され、設計から製造準備段階まで 9 か月で開発
- 製品からモデル、そしてチップへと OpenAI のフルスタックプラットフォームを拡張
- データセンターパートナーとともに、複数世代にわたりギガワット規模で展開予定
OpenAI と Broadcom(NASDAQ: AVGO)は本日、OpenAI 初の Intelligence Processor である Jalapeño を発表しました。これは、LLM 推論の未来に対する OpenAI のビジョンを中心に設計されたアクセラレーターであり、両社が共同で構築している複数世代のコンピューティングプラットフォームにおける最初の AI アクセラレーターです。高度な AI をより高速で信頼性が高く、より多くの人が利用しやすいものにすることを目指しています。

Jalapeño は、Broadcom の President and CEO である Hock Tan 氏と President の Charlie Kawwas 氏から、OpenAI CEO の Sam Altman 氏と President の Greg Brockman 氏に手渡されました。これは、モデルと製品を支えるフルスタックを構築する OpenAI の戦略における重要な一歩です。
OpenAI は、LLM の基礎に関する深い理解をもとに、モデル、カーネル、サービングシステム、製品ニーズのロードマップを踏まえて、このチップをゼロから設計しました。パートナーである Broadcom と Celestica は、チップ実装、ボード、ラックシステム統合、高性能ネットワーキング、拡張可能な量産システムを通じて、このプラットフォームの産業化を支援しています。Jalapeño は、業界全体の現在および将来の AI モデルにおける推論ニーズに関する OpenAI の知見に基づき、あらゆる LLM に対応できる柔軟性を備えて設計されています。Jalapeño チップのエンジニアリングサンプルは、GPT‑5.3‑Codex‑Spark を含む ML ワークロードを、量産目標の周波数と電力でラボ内にて実行しています。
OpenAI は最終的な性能をまだ測定中ですが、初期テストでは Jalapeño のワット当たり性能が現行の最先端を大きく上回る見込みであることが示されています。性能に関する詳細な技術レポートは、今後数か月以内に発表される予定です。このアーキテクチャはデータ移動を減らし、コンピュート、メモリ、ネットワーキングリソースのバランスを取ることで、理論上のピーク性能にはるかに近い実効利用率を実現します。Tomahawk ネットワーキングシリコンを含む Broadcom のシリコン実装およびネットワーキング技術は、このプラットフォームの大規模量産を支えます。
「世界はコンピュートを原動力とする経済へ移行しています」と、OpenAI の President and Co-Founder である Greg Brockman 氏は述べています。「Jalapeño は、コンピュートをより豊富にするための当社の長期的なフルスタックインフラ戦略の一部です。その結果、人々や企業にとって AI はより高速で、信頼性が高く、手頃なものとなり、より重要な問題の解決に使えるようになります。スタックのより多くの部分を自社で設計することで、より高い効率で多くのインテリジェンスを提供し、高度な AI をより広く利用できる方向へ進め続けることができます」
「Jalapeño は、OpenAI の研究者との緊密な協力から得た詳細な知見を用いて、LLM 推論のためにゼロから設計されました」と、OpenAI のハードウェアプログラムを率いる Richard Ho 氏は述べています。「私たちは、フロンティア AI モデルにとって最も重要なカーネル、メモリ移動、ネットワーキング、サービングパターンを中心にアーキテクチャを最適化しました。初期テストに基づくと、Jalapeño は当社にとって最も重要なワークロードを、ハードウェアの理論限界に近い効率で実行できます」
「OpenAI との協業は、今後 10 年の AI に必要な物理インフラを拡張するという、当社の根本的なコミットメントを示すものです」と、Broadcom の President and CEO である Hock Tan 氏は述べています。「これは複数世代にわたるロードマップの始まりにすぎません。業界をリードする当社のシリコンを OpenAI と直接共同開発することで、2026 年から Microsoft などのパートナーとともに、ギガワット規模のデータセンター展開を可能にします」
Jalapeño は、以前の AI ワークロードから転用した汎用アクセラレーターではなく、現代の LLM 推論のために白紙から設計されたものです。これは、OpenAI が ChatGPT、Codex、API、そして将来のエージェント型製品で日々運用しているシステムから得た知見を反映しつつ、業界全体の現在および将来の LLM 向けにも設計されています。目標は、現在の主要な AI アクセラレーターのパワーとスループットに、最速の特化型推論システムに近いレイテンシを組み合わせることです。これにより Jalapeño は、大規模に展開されるインタラクティブな LLM 製品に適したものになります。
それがフルスタックの強みです。OpenAI は、フロンティアモデルの開発や、その上に製品を構築するだけではありません。チップアーキテクチャ、カーネル、メモリシステム、ネットワーキング、スケジューリング、デプロイメントシステム、製品体験といった、その下層のインフラも設計しています。OpenAI はスタック全体で運用しているため、各層を同じ目標、つまりモデルをユーザーにとってより高速で信頼性が高く、手頃なものにすることに合わせて最適化できます。
Jalapeño は、OpenAI の進歩を支える好循環を強化します。より優れたインフラはコンピュート効率を高めます。コンピュート効率が高まると、より優れたトレーニングとサービングが可能になり、最終的により高性能な AI モデルを支えます。より優れたモデルは、人々、開発者、企業にとってより優れた製品につながります。より優れた製品は、利用、顧客、収益を増やし、OpenAI が次世代インフラへ再投資することを可能にします。時間とともに、この循環は誰にとってもインテリジェンスをより高性能で信頼性が高く、低コストなものにしていきます。
Jalapeño は、初期設計から製造テープアウトまでわずか 9 か月で共同開発されました。このカスタム AI アクセラレータープログラムは、高性能な先端半導体において、これまでで最速の ASIC 開発サイクルを達成したものだと考えています。そのスピードは、OpenAI のエンジニアリングチームとの深いソフトウェア・ハードウェア共同開発、Broadcom のシリコン実装の専門性、そして設計・最適化プロセスの一部を加速するための OpenAI モデルの活用を反映しています。
ユーザーに提供されているのと同じモデルが、将来のモデルを動かすインフラの改善にも役立っています。AI がエンジニアによるより優れたチップ設計をより速く支援できれば、業界全体のコンピュートコストを下げ、高度な AI へのアクセスの民主化に貢献できます。
Jalapeño は、2026 年末までの初期展開と、その後数年にわたる拡大を想定した複数世代のコンピューティングプラットフォームの第一歩です。OpenAI 設計のアクセラレーターに、Broadcom のシリコン実装、ネットワーキング、接続技術、そして Celestica のボード、ラック、システムに関する専門性を組み合わせています。
この取り組みの目的は明確です。推論こそが、AI が人々に届く場所なのです。コスト、速度、信頼性のあらゆる改善は、ChatGPT の応答の高速化、待ち時間を減らしながらより多くの手順を実行できる Codex タスク、より低コストで構築できる API 製品、需要が高いときのより安定したアクセスとして現れます。
AI の民主化とは、より多くの人が毎日使えるほど、高度なモデルを利用可能で信頼性が高く、手頃なものにすることです。Jalapeño は、OpenAI が自社インフラのより多くを、学生、開発者、中小企業、研究者、エンタープライズ、そして学び、創造し、難しい問題を解決しようとするすべての人に役立つインテリジェンスへと変えることを支援します。


