世界のコードの書き方を変えつつある企業、JetBrains の取り組み
JetBrains は、ツールやワークフロー全体に OpenAI モデルを組み込み、AI を活用した設計・検討・開発のあり方を再定義しています。
ソフトウェア開発に携わっていなければ、JetBrains を知らないかもしれません。
開発に携わっていれば、ほぼ間違いなく JetBrains のツールを使っているはずです。
同社は現代のソフトウェア開発を舞台裏から支えています。世界中の約1500万人のプロのエンジニア(Fortune 100のうち88社)が利用するツールを提供し、Android の公式プログラミング言語である Kotlin の開発元でもあります。IntelliJ、PyCharm、WebStorm、GoLand、Rider のいずれかを使ったことがあれば、JetBrains のツールに触れたことがあるはずです。
JetBrains のプロダクト責任者である Kris Kang 氏に話を聞き、OpenAI モデルをどのように活用し、開発のあり方を進化させているのかを探りました。目的は開発者を置き換えることではなく、その可能性を引き上げることです。
「開発者は、コードを書くことだけが仕事ではありません。コードをレビューし、意図やロジックを考え、システムを設計します。AI は、単なるコーディングにとどまらない部分も支援します。」
JetBrains における OpenAI 活用
「1500万人以上の開発者が JetBrains を使っています。今、そのワークフローに OpenAI 取り入れています」と Kang 氏は語ります。この変化は単なる自動化にとどまらず、開発者の力を引き出すことにもつながっています。開発者の作業の流れを妨げず、繰り返し作業を減らし、設計やアーキテクチャ、判断といった領域に集中できるようにすることが重要です。こうした力が、AI をより長期的に活用するための基盤になります。
社内では、JetBrains のチームが以下を活用しています。
- ChatGPT
- GPT‑5
- Codex
顧客向けには、同社のコーディングエージェント「Junie」や AI Assistant(チャット支援)で GPT‑5 を選択できます。
「私たちは ChatGPT やGPT-5、Codex を活用しています。Junie では、GPT-5 を LLM の選択肢の一つとして提供しています。
エンジニアはすでに実務レベルのタスクをエージェントに任せ、その完了まで任せられるようになっています。「GPT‑5 を基盤としたエージェントに、徐々に難しいタスクを任せています。驚くことに、その多くがきちんと完了します」と Kang 氏は語ります。
JetBrains が重視しているのはスピードだけではありません。継続的に高い品質を保つことです。「コードを生成するだけでは不十分です。安全で、読みやすく、保守しやすいことが重要です」と Kang 氏は続けます。
JetBrains は、2つの観点から効果を捉えています。
スピード:定型コードを減らし、コンテキストの切り替えを減らして、反復を高速化。
品質:本番環境で不具合を起こすような一時的な工夫ではなく、読みやすく、レビューしやすく、保守しやすいコード。
Kang 氏に学ぶリーダーシップ
人が手間を感じるところから着手する:ドキュメント作成、テスト、レビュー、引き継ぎ。
集中して取り組む作業を守る:コンテキストの切り替えは、タイピング速度以上に生産性を下げます。
置き換えではなく、協働型のワークフローを構築する:AI が下書きを作成し、人が設計とレビューを担います。
基本の水準を引き上げる:意図を明確に定義し、堅牢なアーキテクチャを築くことで、成果を大きく伸ばすことができます。
小さな改善を積み重ねる:効率的な反復は、一度きりの成果よりも価値があります。
「チャットは作業を少し楽にしてくれます。エージェントは大きな変化をもたらします。」
今後の展開
エンジニアの未来像:
- システムを設計する
- エージェントを導き、制御する
- より効率的にレビューし、考察する
- より速く、より自信を持ってリリースする
仕事を減らすのではなく、より良い仕事へ。
「AI をうまく活用する企業は、時間とともに優位性を積み重ねていきます。」


