ユーザーのプライバシーを侵害するニューヨーク・タイムズとの戦い
OpenAI のすべての製品と意思決定の中核には、信頼、セキュリティ、プライバシーという価値観があります。
毎週、8億人の人々が ChatGPT を使って考え、学び、創造し、自分の生活の中で最も個人的な部分を扱っています。人々は、機密性の高い会話、ファイル、認証情報、記憶、検索履歴、支払い情報、さらには本人に代わって行動する AI エージェントをも当社に託しています。OpenAI は、これらのデータをデジタルライフの中でも最も機密性の高い情報の一部として扱い、その責任に見合うプライバシーとセキュリティ保護の構築に努めています。
そして今、その責任が試されようとしています。
ニューヨーク・タイムズは、OpenAI に対し、ChatGPT 上で行われた2,000万件を超える皆様のプライベートな会話を提出するよう要求しています。同社は、ChatGPT を使って自社のペイウォールを回避しようとした例が見つかるかもしれないと主張しているのです。
この要求は、長年にわたって確立されてきたプライバシー保護を無視し、常識的なセキュリティ慣行に反しているだけでなく、ニューヨーク・タイムズによる OpenAI への無根拠な訴訟に関係のない人々の何千万件にも及ぶ極めて個人的な会話を提出するよう強いるものです。
同社はこれまでも同様のことを試みてきました。当初、ニューヨーク・タイムズは皆様がプライベートチャットを削除できないようにするよう求めてきましたが、当社はそれに抗い、皆様がチャットを削除する権利を取り戻しました。次に、同社は ChatGPT 上で行われた14億件のプライベートな会話の提出を要求しました。当社はそれにも反論し、そして今も再び立ち向かっています。あなたのプライベートな会話はあなたのものであり、オンラインコンテンツへのアクセスをめぐる紛争の犠牲にされるべきではありません。
OpenAI は、健全で独立したジャーナリズムを尊重し、多くの出版社や報道機関と協力関係を築いています。ジャーナリズムは歴史的に、世界中で人々のプライバシーの権利を守るうえで極めて重要な役割を果たしてきました。しかし、今回のニューヨーク・タイムズの要求は、その歴史的な理念に反するものであり、当社は裁判所にこの要求を却下するよう求めています。OpenAI は今後も、ユーザーのプライバシーを守るために利用可能なあらゆる手段を検討し続けます。
当社は、皆様のデータを保護するため、セキュリティおよびプライバシーに関するロードマップを加速させています。OpenAI は世界で最も標的にされやすい組織の1つであり、組織犯罪グループから国家支援型の諜報機関に至るまで、さまざまな敵対者によるユーザーデータへの不正アクセスを防ぐために、膨大な時間とリソースを投じてシステムを構築してきました。
しかし、もしニューヨーク・タイムズのこの要求が認められた場合、当社は保護しているデータ、つまり皆様のデータを、ニューヨーク・タイムズの弁護士や有償コンサルタントを含む第三者に引き渡さざるを得なくなります。
OpenAI の長期的なロードマップには、ChatGPT との会話をクライアント側で暗号化するなど、皆様のデータをプライベートに保つための高度なセキュリティ機能を実装することが含まれています。これらの機能によって、皆様のプライベートな会話は、他者、さらには OpenAI ですらアクセスできない状態に保たれると考えています。また、製品内の安全性に関する問題を検出する完全自動化システムを構築する予定もあります。レビュー担当チームにエスカレーションされる可能性があるのは、生命の脅威、他者への危害計画、サイバーセキュリティの脅威など、深刻な悪用や重大なリスクのみであり、そのチームは厳選された少数の人間から構成されます。これらのセキュリティ機能は現在開発中であり、近い将来、詳細やその他の短期的な対策についてもお知らせする予定です。
AI が人々の生活にますます深く統合される中で、プライバシーとセキュリティ保護はさらに強化されなければなりません。当社は、最も個人的な AI 会話においても、皆様が安全で、セキュアで、真にプライベートであると信頼できる未来の実現に取り組んでいます。
—OpenAI 最高情報セキュリティ責任者、Dane Stuckey
なぜニューヨーク・タイムズをはじめとする原告団はこれを要求しているのですか?
- ニューヨーク・タイムズは OpenAI を訴えています。根拠のないこの訴訟の一環として、同社は裁判所に対し、2,000万件を超えるユーザーの会話の提出を強制するよう要求しました。これにより、同社は訴訟と無関係の何百万件ものユーザーの会話にアクセスできるようになります。
- OpenAI は、これは行き過ぎであると強く考えています。この要求が訴訟の解決に役立つことはなく、皆様のプライバシーを危険にさらすだけであるため、私たちは戦っています。
このような段階に至ったのにはどういった経緯があるのですか?
- ニューヨーク・タイムズの弁護士は、以前に無関係の裁判で別の AI 企業がユーザーのプライベートチャット500万件を提出したことを理由に、自社の要求も認められるべきだと裁判所に主張しました。
- OpenAI はこれが本件に関連するとは考えておらず、引き続き異議申し立てを続けています。
ニューヨーク・タイムズに対して他の解決策を提案しましたか?
- OpenAI は、ニューヨーク・タイムズに対して、抽出されたサンプルに対するターゲットを絞った検索(例: ニューヨーク・タイムズの記事のテキストを含む可能性のあるチャットを検索し、同社の主張に関連する会話のみを提供)や、抽出されたサンプル内で ChatGPT がどのように使用されたかを分類する概要データなど、プライバシー保護を考慮したいくつかの選択肢を提示しました。
- しかし、ニューヨーク・タイムズはこれらの提案を拒否しました。
ニューヨーク・タイムズにはこのデータを非公開に維持する義務がありますか?
- はい。現時点で、ニューヨーク・タイムズは裁判手続き以外でデータを公開しないという法的義務を負っています。ただし、ニューヨーク・タイムズが会話を公開する形でアクセスを強行しようとする場合、当社はあらゆる手段で皆様のプライバシーを守ります。
- 今回の訴訟におけるニューヨーク・タイムズの当初の要求はさらに広範で、プライベートな ChatGPT 会話14億件の提出を求めていましたが、当社は法的手続きを通じてこれを撤回させることに成功しました。この事実は、この要求が慎重さや必要性に欠けるものであることが明らかにしています。
2,000万件のチャットはどのように選ばれるのですか?
- 2,000万件のユーザー会話は、2022年12月から2024年11月までの間にランダムに抽出されています。
私のデータが影響を受ける可能性はありますか?
- 対象データは、2022年12月から2024年11月までの一般ユーザーの ChatGPT 会話からランダムに抽出されています。
- それ以外の期間の会話は影響を受けません。
ビジネスユーザーが影響を受ける可能性はありますか?
- ChatGPT Enterprise、ChatGPT Edu、ChatGPT Business(旧「Team」)、および API ユーザーは対象外です。
OpenAI は個人情報やプライバシーを守るために何をしていますか?
- 当社は、対象のチャットをすべて匿名化しており、これらの会話から個人識別情報(PII)やパスワードなどの機密情報を削除または「スクラブ」しています。
- さらに、ニューヨーク・タイムズがこのデータを閲覧する場合には、厳格な法的プロトコル下の安全な環境でのみ閲覧できるようにします。
このデータはどのように保存されますか?
- 裁判所命令の対象となるコンテンツは、現在、安全なシステムに隔離して保管されています。リーガルホールドにより保護されているため、法的義務を果たす以外の目的でアクセス・利用することはできません。
- 法的義務を遵守するのに必要な場合に、監査済みの小規模な OpenAI 法務・セキュリティチームのみがこのデータにアクセスできます。
誰がこのデータにアクセスできますか?
- この裁判に登録されているニューヨーク・タイムズの外部顧問弁護士と、ニューヨーク・タイムズが雇った技術コンサルタントのみが会話にアクセスできます。ニューヨーク・タイムズがこのデータを閲覧する場合、厳格な法的プロトコル下の安全な環境でのみ閲覧できるようにします。
- もしもニューヨーク・タイムズが会話を公開する形でアクセスを強行しようとする場合、当社はあらゆる手段で皆様のプライバシーを守ります。
この裁判所命令は GDPR や欧州またはその他のプライバシー法に基づく私の権利に違反しますか?
- 現時点で、当社は法令を遵守するための措置を講じていますが、ニューヨーク・タイムズの要求は OpenAI のプライバシー基準と一致していません。だからこそ、当社はこれに異議を申し立てています。
- 前述のように、当社は皆様のプライバシーを保護するために、データの匿名化や個人識別情報の削除など、追加措置を講じています。
今後も最新情報を知ることはできますか?
- はい。OpenAI は透明性を重視しており、本件について随時ご報告いたします。裁判所命令の変更や皆様のデータへの影響など、重要な更新情報を共有する予定です。


