本日、ChatGPT に新たに「学習モード」が追加されました。単に答えを提示するだけでなく、段階的な問題解決を通じて深い理解を促す、新しい学習支援機能です。無料版、Plus、Pro、Team にログイン中のユーザー向けに利用可能となります。数週間以内には、ChatGPT Edu でも利用できるようになる予定です。
ChatGPT は、世界で最も広く利用されている学習ツールの1つです。多くの学生が、難しい宿題の問題を解いたり、試験勉強や新しい知識を深めたりするために ChatGPT を利用しています。それは、ChatGPT が本当の学びを支える形で活用されているか。単に答えを出すだけでなく、学生が内容を理解できるように支援しているか、ということです。
この課題に応えるため、OpenAI は学習モードを構築しました。このモードでは、学生の目標やスキルレベルに応じて回答が調整されます。ヒントとなる質問を表示して、より深い理解を得られるように学生をサポートします。学習モードは、楽しい対話を通じて、学生がただ課題をこなすのではなく、しっかりと学べるように設計されています。
学習モードでは、教師、科学者、教育学の専門家との協力によって作成された独自のシステム指示を採用しています。これには、学生がより深く学ぶために必要な一連の動作が組み込まれています。例えば、この動作には、積極的な参加を促すこと、認知負荷を管理すること(1 度に処理する情報量を調整して、無理なく考えられるようにする)、メタ認知や内省を深めること(自分の理解の仕方や学び方を見直す力を高める)、好奇心を育成すること、実行可能で学習を支援するフィードバックを提供することなどが含まれています。このような動作は、学習科学における長年の研究に基づいており、学習モードが学生にどのように回答するかを形作っています。
「学習モードは、学生に代わって課題をこなすのではなく、自らの学びについて批判的思考を用いて考える力を育むことを目的としています。こうした機能は、学習における効果的な AI 活用に向けた一歩です。AI 時代においても、本当の学びは、学生が授業の教材に興味を持ち積極的に取り組むことで、実現します」と、 Robbie Torney 氏、Common Sense Media AI プログラム担当シニアディレクターは述べています。
インタラクティブなプロンプト:すぐに解答を示すのではなく、ソクラテス式問答法(対話を通じて自ら考えさせる方法)やヒント、問いかけを組み合わせ、学生自身の考える力を導きます。これにより、理解を深め、能動的な学習を促進します。
理解を促す段階的な構造に基づいた回答:トピック間の重要なつながりが分かりやすいようにセクションごとに情報を整理して提供します。適切な文脈を適切な分量で提供することで、内容への興味を高め、複雑なトピックに対する学生の負担を軽減します。
パーソナライズされたサポート:レッスンは、学生のスキルレベルを評価する質問や以前のチャットのメモリに基づいて、適切なレベルに合わせて調整されます。
理解度チェック:クイズや自由回答形式の質問、個別のフィードバックを通じて、学習の進捗状況を確認できます。これにより、知識の定着とその知識を新しい場面で活用する能力をサポートします。
柔軟性:学習モードは、会話中に簡単にオン・オフを切り替えられるため、各会話で柔軟に学習目標に合わせて使うことができます。
学習モードは、大学生の利用を想定して、開発されました。この機能の初期テストで、学生ユーザーから実際に寄せられたフィードバックの一部を以下にご紹介します。
「学習モードは、24時間いつでも利用できて、なんでも答えてくれる『オフィスアワー』(学生が授業について教員に質問や相談できる時間)のようなものです」—Noah Campbell、大学生
「学習モードは、情報量の多い資料をちょうど良いペースで、明確にかみ砕いて説明してくれました」—Caleb Masi、大学生
「「これまで何度も理解しようとして挫折していた正弦波型位置エンコーディングについて、試しに学習モードに教えてもらいました。まるで、どれだけ質問しても呆れることなく答えてくれる家庭教師のようでした。3時間かけて取り組んだ結果、ついに自信を持って理解できたと思えました」—Maggie Wang、大学生
学習モードは、宿題の手伝い、試験準備、新しいトピックの学習に特に役立ちます。このモードを試すには、ChatGPT のツールから「あらゆる学びをサポート」を選択し、質問を入力してください。
学習モードの登場は、ChatGPTを使った学びの体験をこれまで以上に良くするための第一歩です。 現在の学習モードはカスタムシステム指示を採用しています。OpenAI がこのアプローチを選んだのは、実際の学生ユーザーのフィードバックをすばやく反映し、使いやすさを高めるためです。その結果、会話によっては、一貫性のない動作や間違いが生じる場合もありますが、学生ユーザーからのフィードバックと改良を重ねることで、最も効果的な方法を学び、メインモデルに直接学習させる予定です。
さらに OpenAI では、今後学習モードをより使いやすく学生が効果的に学べるよう、以下のような機能の追加も検討しています。
- 複雑な内容や文字主体のトピックを、より分かりやすく視覚化
- 会話をまたいだ目標設定と進捗状況の追跡
- 学生それぞれのスキルレベルと目標に合わせた、より細やかなパーソナライゼーション
教育に AI をどう活用するのが最適かについては、今だ研究の途中です。OpenAI は、NextGenAI イニシアチブのさまざまなパートナーを通じて学習と AI に関するさらなる研究を進めていて、スタンフォード大学の「Accelerator for Learning」(新しいウィンドウで開く)の SCALE イニシアチブの専門家と協力して、AI ツールが K-12 教育などの分野での学習成果にどのように影響するかを研究し、共有しています。
当社は、学生が AI を活用して最も効果的に学習する方法に関する長期的な研究を進めるなかで、モデル設計と認知プロセスとの関係について理解を深めてきました。今後は、その知見をもとに将来の製品体験を設計していくとともに、より広範な教育エコシステムとの連携を通じて、AI が世界中の学習者にとって価値ある存在となるよう取り組んでいきます。


