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OpenAI

2026年7月30日

avatarinが GPT‑Realtime で実現する、接客の「インターフェース革命」

avatarin は OpenAI の GPT‑Realtime を中核に、ヤマダデンキの接客コミュニケーションを学習した「くらしまるごと AI エージェント」を構築。24時間・多言語で商品選びから購入決定まで顧客に寄り添い、実店舗のような接客体験を実現しました。

デジタル接客サービスのつながりを表現した avatarin 顧客事例のビジュアル。
従業員数: スタートアップ
地域: アジア太平洋とオセアニア
業種: 小売, テクノロジー
製品: API

結果

30,000

2週間の限定プロモーション期間中に参加したユーザー数

結果

92%

利用後アンケートにおける好意的な回答の割合

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2020年に ANA ホールディングス発のスタートアップとして設立された avatarin 株式会社は、AI 接客・販売ソリューション「a-commerce」を展開しています。掲げるビジョンは「One Intelligence. One Brand. Every interface.」。各企業独自のブランドや接客ノウハウを1つの AI として統合し、あらゆる顧客接点で一貫した体験として提供することを目指しています。

このビジョンの社会実装として、同社は2024年5月にヤマダホールディングスと業務提携を締結。人手不足に悩む家電流通業界に向けて、販売員の高度な接客スキルをデータ化した AI エージェントの開発に着手しました。

そして2026年3月、その最初の成果となる「くらしまるごと AI エージェント」の体験プロモーションが、ヤマダデンキ公式 EC サイト内の特設ページで一般公開されました。クローズドな実証実験にとどまらず、誰でもアクセスできるオープンな環境で、24時間・多言語のリアルタイム音声接客を公開するのは、世界でも極めて先進的な試みです。

OpenAI の GPT‑Realtime を中核に据えたこのエージェントは、商品選びの相談から購入の決定までお客さまをスムーズに導きます。

「これは従来のチャットボットの延長ではありません。接客そのものを AI で拡張する試みです。私たちはこの取り組みを、小売業界における『インターフェース革命』の始まりと位置づけています」
──深堀昂氏、avatarin、代表取締役 CEO

チャットボットではなく、「インテリジェンス」を

avatarin と OpenAI のパートナーシップは、ヤマダデンキとのプロジェクト以前から API 活用や技術検証を重ねる中で形づくられてきました。ANA グループ発のavatarin は、顧客接点や業務領域での AI 活用を進める中で、問い合わせ応対の分析、音声認識、従業員向けオペレーション訓練の開発・検証などにOpenAI API を実践的に活用。現場の課題解決に向けた取り組みで蓄積してきた技術的な知見が、今回の AI エージェント開発の確かな土台となりました。その知見を社会実装する最初の大型案件として動き出したのが、ヤマダデンキとのプロジェクトでした。

数ある選択肢のなかから、なぜ OpenAI の GPT‑Realtime を選んだのか。深堀氏は、その理由をこう語ります。

「これまで20年間音声認識を専門にやってきた企業の精度を、単一モデルであっさりと超えてしまう。さらにテキストや音声だけでなく、画像理解までもが1つの知能で遅延なく処理できる。この圧倒的なパワーこそが、私たちが GPT‑Realtime を選んだ理由です。これは、人間が機械のルールに合わせるのではなく、機械のほうが人間のコミュニケーションに歩み寄ってきた技術だと言えます」

従来のルールベースのチャットボットは、決められたキーワードを入力しなければならず、目の前のお客さまの複雑な迷いや背景を理解することはできませんでした。これに対し GPT‑Realtime は、テキストや音声、さらには画像理解までを単一のモデルで処理できるマルチモーダル性を備えています。これにより、人間同士が話すようなあいまいな言葉やニュアンスをくみ取ることが可能になり、真の意味で「お客さまを理解しようとする」自然な接客が可能になるのです。

深堀氏は、この技術がもたらす未来の接客について、強い期待を寄せています。

「お客さまが求めているのは、単なるチャットボットではなく『インテリジェンス』です。『4人用のサイズが欲しいが、キッチンは狭い。じゃあどんな冷蔵庫が最適だろうか』。そんな一人ひとりの疑問に答えられて初めて、本当の接客と呼べるのです」

接客のプロの暗黙知を、会話による接客体験に翻訳する

実装にあたって avatarin が特に注力したのは、以下の3点でした。

  • 「リアルタイムな会話体験」と「正確な商品案内」の両立:どれほど会話がリアルタイムで自然でも、提供する商品情報に誤りがあっては接客として成立しません。そこで、GPT‑Realtime の特徴である低遅延応答を活かしつつ、正確かつ高速に商品情報を参照する RAG システムを構築。自然な音声対話の中で、常に正確な情報を提供できるシステムを構築しました。
  • 「ヤマダデンキが培ってきた接客ノウハウ」のAIエージェント化:家電の接客では、商品カテゴリごとにヒアリングすべき内容がまったく異なります。ヤマダデンキの販売員が持つ緻密な接客シナリオをAIエージェントの会話設計に反映しました。また、お客さまが探す条件を途中で変えたり、横にいる家族に相談したりと、実際の会話で発生する「会話の逸脱」にも GPT‑Realtimeの柔軟性で対応しつつ、接客目的から大きく外れないように AI 上のガードレールを設けています。
  • 「AI を受け身にしない」応対設計:従来の AI チャットボットは「聞かれたことに答えるだけ」の受け身な仕様が大半でした。しかし avatarin は、この仕様を抜本的に見直しました。 AI 側から積極的に、お客さまの真のニーズを聞きにいく。このプロアクティブな姿勢こそが、従来のチャットボットとの決定的な違いを生み出しています。

こうした高度な接客 AI を実装する裏側には、OpenAI チームとの緊密な連携がありました。膨大なプロンプトの構造化や、常時稼働する音声接客における API コストの最適化など、技術的な壁にぶつかるたびに議論を重ね、ベストプラクティスを共有。この手厚いサポートがあったからこそ、avatarin は「ヤマダデンキらしい接客体験」の作り込みに集中できたといいます。

こうして緻密な実装によって実現したプロアクティブな AI に、深堀氏は技術の新たな可能性を確信したといいます。「こちらの意図まで汲み取ってくれる『人間らしさ』や、ときに人間を超えるような知能の片鱗に、私自身とてもワクワクしています」と語ります。

接客のプロセスが、そのまま顧客インサイトになる

2週間のオープンな検証で「くらしまるごと AI エージェント」が生み出した成果は、以下の通りです。

  • 2週間の期間限定プロモーションで数万人規模のユーザーが利用
  • 24時間・多言語・音声/テキスト対応を実現
  • 利用後アンケートでは、回答の92%がポジティブな内容。

2026年3月に実施された体験プロモーションでは、2週間で数万人規模のユーザーが「くらしまるごと AI エージェント」を体験しました。深堀氏が「数値以上に大きな手応え」として挙げるのが、これまで取得できなかった顧客インサイトの獲得です。「従来の EC では、お客さまが何に迷い、なぜ購入に至らなかったのかを十分に把握することは困難でした。しかし AI エージェントとの会話では、商品を探す過程で重視している条件やブランドへの印象、購入をためらう理由がすべてログとして残ります」

24時間稼働する AI 接客は、実店舗が閉まっている深夜帯の需要を捉えるだけでなく、ユーザーが「本音」を打ち明けやすい会話環境としても機能しました。人間の店員には気を遣って言いにくい「予算オーバー」や初歩的な質問も、AI 相手であれば心理的ハードルが下がり、気軽に相談しやすくなります。

会話終了直後には、AI エージェントの音声による利用後アンケートを実施しました。購入相談から感想の聞き取りまでを一連の音声体験として提供することで、ユーザーが自然な流れでフィードバックしやすい体験となっています。

その結果、満足度5点満点中4以上が86.4%、アンケート回答の92%がポジティブな内容となり、音声 AI による接客体験が高く評価されました。

実際の回答では、「実際の店員さんよりも話しかけやすい」「何度聞き直してもストレスがない」といった声が寄せられています。無理な売り込みへの不安や遠慮を排除したことで、これまで店舗や EC では拾いきれなかった「ユーザーの小さな迷い」まで的確に捉えられることが実証されました。

顧客が悩み、決定するまでの接客のプロセスそのものが、次のサービス改善やマーケティングに直結する貴重なインサイトに変わる。それは従来の EC のあり方を変えうる、大きな発見でした。

「One Intelligence. One Brand. Every interface.」

avatarin が目指すのは、Web、電話、店頭のどこから触れても、1つの AI エージェントがシームレスに対応する世界です。「サイトにはチャット、電話には自動音声、店頭にはロボット」という従来の縦割りシステムを覆し、あらゆるチャネルで顧客のコンテキストを共有する、新しい体験を生み出そうとしています。

その先に見据えるのは、企業のブランドや「おもてなしの心」までを体現する AI の姿です。家電から住宅、金融までを幅広く手がけるヤマダホールディングスグループで AI が「くらしまるごと」の身近な相談相手に──。接客のあり方を根本から変える壮大な挑戦が、すでに動き出しています。

こうした壮大な構想の実現を強力に後押ししているのが、OpenAI の技術です。深堀氏は「明らかに今、AI の進化のギアが一段上がったと感じています。この圧倒的な知能を使い倒していくのが楽しみで仕方ありません」と語り、飛躍的なテクノロジーの進化に胸を躍らせています。

しかし、avatarin が目指すのは、単に全チャネルをつなぐ便利な汎用 AI を作ることではありません。

「すべての企業の接客が同じトーンになってしまったら、市場から魅力が失われてしまいます。各企業のアイデンティティやブランドを体現する『1つの知能』を、あらゆるインターフェースで体験できるようにする。それが私たちの目指す『One Intelligence. One Brand. Every interface.』です。シングルパーパス AI の時代は終わりました。汎用のマルチモーダルな知能の時代の幕開けを、OpenAI が牽引していくと確信しています」

新しい働き方の時代へ

世界中の100万社以上の企業が、OpenAI を活用して確かな成果を上げています。