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OpenAI

2026年9月1日

AI 導入

AI ネイティブ企業がワークフローを業務遂行力に変える方法

Basis、Clay、Exa Labs は、オンボーディング、アカウント管理、開発者連携にエージェントを活用しています。その事例から、企業リーダーが応用できる点を紹介します。

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OpenAI の最新レポート「エンタープライズ・シグナル」から、企業の AI 活用が支援から実行へと移行する速度には大きな差があることがわかります。フロンティア企業(AI 利用量が上位 10% の企業)では現在、アクティブユーザー 1 人当たりの出力トークン数が一般的な企業の 8.3 倍に達し、1 月の 2.6 倍から増加しています。この格差の拡大は、より根本的な業務変革を示しています。先進企業はエージェントを社内のコンテキストやツールにつなぎ、より実質的な業務を任せ、成果を上げたワークフローを容易に再現できるようにしています。

リーダーにとっての課題は、こうした活用の深さを、従業員が信頼し、測定し、改善できる仕事へと変えることです。また、初回では価値が明確でないユースケースも含め、試行の余地を残す必要があります。

スタートアップの Basis(新しいウィンドウで開く)Clay(新しいウィンドウで開く)Exa Labs(新しいウィンドウで開く) は、従業員のオンボーディング、アカウント管理、開発者エコシステムの成長にエージェントを組み込んでいます。各社のワークフローは異なりますが、その発展の道筋は参考になります。まずエージェントに安定したプロセスを教え、業務の変化に応じて持続的なコンテキストを与え、その後、機会を検証済みのアクションへと進めさせます。

これらの事例は、チームが日常業務にエージェントを組み込み、時間をかけてプロセスを改善する方法を示しています。

Basis:エージェントでオンボーディングを習得可能に

オンボーディングは長年、雇用側にも従業員にも煩雑なものでした。会計事務所向け AI エージェントを開発する Basis では、入社初日のオンボーディングが 2 時間から 30 分に短縮され、人事部門が企業文化の浸透やサポートに割ける時間が増えました。

従業員は初日に、Codex と自社専用のオンボーディングスキル(特定のワークフロー向けに再利用できる手順やリソースのセット)をすぐに利用できます。Codex は従業員を迎え、社内の重要な概念を紹介し、従業員のコンピューターを使ってバックグラウンドで連携設定を完了します。繰り返し寄せられる質問や例外が見つかれば、人事部門は次回の入社者グループを迎える前にスキルを更新できます。

Basis の AI 支援型オンボーディング用ワークスペースのアニメーションデモ。マシュー氏という新入社員向けの初日チェックリストと、自動化された設定手順が表示されています。

Basis はオンボーディングの手順を一度実演した後、明確な開始条件、既知の手順、適切なツールへのアクセス、「完了」の明確な定義を備えた再利用可能なスキルに変えました。プロセスは特定の担当者の都合に左右されなくなりましたが、例外や複雑な質問にはチームが対応できます。オンボーディングの一貫性と再現性が高まり、改善もしやすくなりました。新入社員は AI と協働するための手本もすぐに得られます。

Clay:散在する業務に持続的な拠点を

GTM チーム向けに自己学習型の収益エンジンを構築する Clay は、営業でよくある課題に直面しています。重要な商談コンテキストが、CRM レコード、メール、Slack、通話、プレゼンテーション、テキストメッセージ、社内チームや顧客側の推進者との会話に散在しているのです。

そのコンテキストを最新に保つため、Clay の GTM エンジニアの 1 人は、アカウントごとに永続的なワークスペースと専用のサブエージェントを用意する、より優れた方法を試しました。各サブエージェントは一次情報を確認し、夜間に担当する商談フォルダーを更新します。毎朝、調整役のエージェントが彼女の全アカウントの更新情報をまとめ、優先行動の短いリストにします。未回答の顧客の質問に答える、購買委員会の不足を補う、見込み客に再び関心を持つ理由を提示する、といった行動です。

Clay によると、このワークフローにより、彼女は毎晩の受信トレイ整理を約 1 時間短縮できています。日々の優先事項が明確になることで、長期にわたる法人営業サイクルの中で大きな成果につながる小さな行動を着実に実行できます。各提案には根拠となる情報が紐づいているため、営業担当者は行動に移す前に一次情報を確認できます。企業は既存のアカウント権限に従い、この共有コンテキストをアカウントエグゼクティブ、BDR、ソリューションエンジニア、営業リーダーにも広げられます。

Clay の事例は、変化し続ける業務を拡張するために必要な要素を示しています。一貫した構造、実用的な更新頻度、共有された根拠、そして行動時の人間による判断です。

Exa:機会を検証済みのアクションへ

AI エージェント向けのウェブ検索基盤を構築する Exa Labs は、開発者が必要とするあらゆる場所で自社の検索 API を利用できるようにしたいと考えています。チームはこの目標を「どこでも Exa」と呼んでいます。以前は、その実現に向けて開発者リレーション部門とアカウントチームがリポジトリや幅広いエコシステムを監視し、有望な連携を見つけ、コンテキストを収集し、複数のシステムにまたがる作業を調整する必要がありました。機会はそれぞれ異なっていても、発見から実装までの道筋は一貫した手順に沿っていました。Exa はその手順を Codex 向けの明確なワークフローに変え、優先順位を定め、必要な情報源へのアクセスを与え、リリース前に人間がレビューする仕組みを設けました。

現在、Codex は優先度の高い連携機会を監視し、関連するコンテキストを収集してプルリクエストを作成し、テストを実行します。さらに、Slack や Notion などの情報源を使って週次アップデートを作成します。必要に応じて、最初の告知文を含む次のステップの案も作成し、チームのレビューに回せます。このワークフローは、リサーチ、エンジニアリング、コミュニケーション間の引き継ぎを減らしながら、機会を示すシグナルから検証済みの成果物まで処理します。

どの機会が重要か、Exa が何を約束すべきか、外部との関係をどう管理するかは、今も人間が判断します。テストとレビューの工程により、リリース前にエージェントの作業内容を確認できます。テスト結果と人間によるレビューから、次回の実行前にワークフローのどこを調整すべきかがわかります。業務の重要性が増すほど、権限、根拠、意思決定権がワークフロー設計に占める比重も大きくなります。

Basis、Clay、Exa の事例は、「エンタープライズ・シグナル」全体に見られるパターンを、具体的な業務として示しています。Basis は、実証済みのプロセスを再利用可能なスキルに変えています。Clay はエージェントにコンテキストと持続性を与え、変化し続ける一連の業務を最新に保っています。Exa はツール、テスト、レビューを加え、エージェントがシグナルを範囲の定まった実行へと進められるようにしています。3 社はいずれも改善をワークフローに組み込んでいます。オンボーディングの例外からはスキルを改善すべき箇所がわかり、新たなアカウント活動と営業担当者の検証によって商談コンテキストが最新に保たれ、テストと人間によるレビューによって今後の実行範囲がより明確になります。いずれも具体的な業務と、それを試すための十分な余地から始めています。使う中で役割分担が明確になり、ワークフローの有効性が実証されるにつれて、任せる範囲も広がります。

今すぐ試し、成果を拡大するための 6 つのステップ

フロンティア企業との格差が拡大する中、企業リーダーは、重要なワークフローを従業員が試せる余地を設け、成果を測定し、特に有望な実験を再現可能な実践へと変える必要があります。

  • 重要な価値創出領域を 1 つ選ぶ戦略的優先事項、システム、引き継ぎ、統制、測定可能な成果が交わる、エンドツーエンドのワークフローから始めます。学びを得られる頻度で繰り返され、再設計する価値があるほど重要な業務を選びます。
  • 成果と測定方法を定義する責任者、KPI、基準値、ガードレールを明確にします。完了したタスク、接続されたコンテキストやツール、例外、レビュー負荷を通じて、活用の深さを追跡します。サイクルタイム、品質、コスト、収益、リスクを通じて価値を追跡します。出力量を見れば、従業員が AI に任せる仕事を増やしていることはわかります。一方、ワークフローの成果からは、それが実際に価値を生んでいるかがわかります。
  • エージェントの職務記述書を作成する業務の開始条件、成果、必要なコンテキスト、ツール、権限、完了までエージェントがどの程度継続的に取り組むべきかを定義します。エージェントが提示すべき根拠と、人間のレビューのために作業を止める箇所を指定します。
  • エージェントを支える人間の体制を構築するワークフローに最も近い人々を設計プロセスに参加させます。事業成果、業務領域のロジック、アクセスと統制、導入、日々の利用について、それぞれの責任者を明確にします。スタートアップでは少人数がこれらの責任を担いますが、企業ではワークフローの拡大に伴い、意思決定権を明示する必要があります。
  • 試行を可視化し、再利用可能にする OpenAI の調査では、導入から 6 か月後、若手社員が 1 週間に送信したメッセージ数は経営幹部より 13 件多いことがわかりました。従業員が新たなユースケースを試せる余地を設け、成果を上げたプロセスとその根拠を記録し、スキル、プラグイン、共有ワークスペースとしてまとめます。Chat、Work、Codex(新しいウィンドウで開く) は異なるモードに対応しています。Chat は質問や迅速な共同作業、Work は複数ステップの知識労働と完成した成果物の作成、Codex は技術的な実行に適しています。
  • 有効な運用パターンを次へつなげる有効だったコンテキスト、権限、評価、レビュー工程、責任者、指標、活用支援を維持し、次の価値創出領域に適用します。新たな実験を重ねるたびに、次のチームがより良い出発点に立てるようにします。

著者

OpenAI