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OpenAI

2026年9月8日

1Password、Codex でエンジニアリング生産性を 21% 向上

1Password は、厳格なセキュリティポリシーを維持しながら、Codex を活用して本番環境で使える機能や社内ツールの開発を加速しています。同社は、こうしたエンジニアリング余力の拡大による ROI を 553% と試算しています。

暗い色の繊維を織り合わせた素材と並ぶ OpenAI と 1Password のロゴ
従業員数: Enterprise
地域: 北米
業種: テクノロジー
製品: Codex

553%

Codex による推定 ROI

約 90%

複数のサービスにまたがる複雑な本番環境の問題の調査時間短縮率

11%

プルリクエストのサイクルタイム中央値の短縮率

80万ドル

Codex によって年間に生まれるエンジニアリング余力の推定価値

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1Password はソフトウェアデリバリーのライフサイクル全体に Codex を導入し、計画から本番稼働までの時間を短縮することで、新機能を迅速に開発できるようになりました。1Password チームは、主要なユーザー層で pull request のサイクルタイム中央値を 11% 近く短縮し、エンジニアリング生産性を 21% 近く向上させました。

エンジニアリング部門での成果を受け、1Password の経営陣は Codex の利用対象を他部門にも拡大し、財務やマーケティングなどのチームが独自のツールや機能を開発できるようにしています。その間も 1Password は厳格なセキュリティ基準を維持し、スピード向上とデータ保護を両立させました。

「多くのエンジニアにとって本当に目を見張る変化だったのは、計画から機能を本番環境で確認できるようになるまでの期間が短縮されたことです」
—Nancy Wang 氏、1Password CTO

Codex による新機能のワンショット開発

1Password は Codex を活用し、アイデアの計画から実装までの時間を短縮しています。これにより、エンジニアは明確に定義されたユーザーストーリーを、実際に動く機能として実装しやすくなっています。

「以前は、プロジェクトに着手すると、複数のスプリントへの分割方法を考え、それぞれをエンジニアリングのスクラムチームに割り当てていました」と、1Password の CTO、Nancy Wang 氏は説明します。「Codex を使えば、アイデアからプロトタイプを経て、本番環境で完全に動作する機能まで、実際にワンショットで作り上げられます」

「私たちのワークフローでは、ユーザーストーリーと、ユーザーにどのような体験を提供したいかという指示を Codex に渡すことで、機能をより迅速かつ簡単にワンショットで開発できるようになり、エンジニアリングレビューまでに必要な反復作業も減りました」と Wang 氏は述べています。

この取り組みから、社内ツールと顧客向け製品の両方で数多くの新機能が生まれました。その一例が、エージェントを全面的に活用したフロントエンドデザインシステム Knox です。1Password の各チームが新しいインターフェースを構築するのを支援します。ほかにも、社内向けの AI サイト信頼性エンジニアリング(SRE)エージェントや、AI 支出管理ツールがあります。

1Password は、技術面とセキュリティ面で明確に定めた範囲内で、Codex が自律的に作業できるようにしています。「Codex は依頼された機能を個々の機能仕様に落とし込み、ほぼ完成形のプロトタイプを構築します。それをシステムエンジニアに引き渡して、バックエンドに組み込んでもらえます」と Wang 氏は述べています。このアプローチにより、引き継ぎ時間が短縮され、エンジニアリング生産性が向上しました。エンジニアはコードをより速く書けるようになり、計画、実装、レビューの各工程間の引き継ぎに費やす時間も減りました。

ソフトウェアデリバリーのライフサイクル全体で活躍する Codex

Codex は計画から本番稼働までの全工程を支援します。

  • 計画と技術設計:依頼をもとに仕様と作業項目を具体化し、依存関係を確認

  • 複数スタックでの実装:CLI を通じて、不慣れな Rust や TypeScript のコードを理解できるようエンジニアを支援し、並列ワークツリーで複数のタスクを同時実行

  • プルリクエストのレビュー:人による確認に先立って変更をレビューし、ロジック上の問題や不足しているコンテキストを指摘

  • テストとリリース準備:ほかの作業と並行して、受け入れ基準の検証と自動テストを実行

  • セキュリティとアクセス:1Password の社内 AppSec ハーネスと連携し、シークレット参照によって平文の認証情報がモデルのコンテキストに入るのを防止

  • 本番環境の調査:インシデント管理、テレメトリ、ソース管理、ページング、機能フラグなどの各種情報源から、調査の根拠となる情報を収集

成果の概要

1Password が試算した、Codex によって年間に生まれるエンジニアリング余力の価値:783,750ドル。試算の前提条件はキャプションに記載されています。

年間のエンジニアリング余力の推定価値:783,750ドル。Codex を継続的に利用する開発者50人、開発者1人当たりの諸経費込み年間コスト250,000ドル、測定された生産性向上率 20.9%、Codex の推定寄与率 40%、生産能力の実現率 75% に基づく試算です。

1Password がソフトウェア開発ライフサイクル全体に Codex を導入した結果、エンジニアリングチームでは生産性が 20.9% 向上し、プルリクエストのサイクルタイム中央値が 10.9% 短縮されました。普段とは異なるスタックで作業したエンジニアは、通常3日かかるマージを1日に短縮しました。また、ベータ版の公開日が固定されていたチームは、通常なら約2件と見込まれるところ、リリースに不可欠なチケットを4件完了しました。

10を超えるマイクロサービスにまたがる不具合では、調査時間が約2時間から5~20分へ短縮されました。Codex ユーザー50人を想定した試算では、1Password は年間約78万4,000ドル相当のエンジニアリング余力と 553% の ROI を見込んでおり、生まれた余力を製品開発と社内イノベーションに振り向けています。継続的に利用するユーザーが100人の場合、測定された生産性向上のうち Codex による寄与がより大きいと想定すると、年間のエンジニアリング余力の推定価値は約310万ドルに達する可能性があります。

「顧客からのフィードバックを受けて UI をすばやく変更するまでのフィードバックループを短縮できれば、ビジネスの大きな可能性が開かれます」
—Nancy Wang 氏、1Password CTO

開発速度の向上とセキュリティの維持

1Password は財務、マーケティングなどのチームにも OpenAI のツールを展開しており、チャットインターフェースの利用はすっかり定着しています。

1Password にとって、セキュリティモデルは利用拡大後に追加する統制ではなく、導入時から満たすべき設計要件です。「私たちは、製品の開発方法について非常に厳格なセキュリティ方針を採用しています」と Wang 氏は述べています。たとえば、認証情報やシークレットを扱う製品は、顧客だけが機密データを復号してアクセスできるよう設計されたゼロ知識アーキテクチャに準拠する必要があります。

1Password は、認証情報そのものではなくシークレット参照をリポジトリに保存することで、この原則を実践しています。Codex が承認済みの社内ツールを呼び出すと、1Password は実行時に参照先の認証情報を取得して注入するため、平文の値がモデルのコンテキストに入ることはありません。

さらにセキュリティを強化するため、1Password のエンジニアは同社のセキュリティポリシーを「再利用可能な AppSec スキルに組み込み」、開発ワークフローのどこでも同社の基準が適用されるようにしたと Wang 氏は説明します。「これは大きな転機になりました」

今後の展望

Wang 氏と 1Password チームは、近い将来、「開発の民主化」によってソフトウェア開発の裾野が広がり、より多様な職種がソフトウェアを作れるようになると考えています。第一の波では、エンジニアが AI の支援を受けて開発するようになりました。Wang 氏は次のように述べています。「今はまさに第二の波のただ中にいます。プロダクト、デザイン、リサーチ、開発に携わる誰もが、作り手になりつつあります。PM が製品をリリースし、デザイナーがフロントエンドコードをリリースするようになっています」

Wang 氏は、この傾向があらゆる職種に広がると予測しています。「最後に残る課題は、社内の全員が開発できるようにすることだと思います」と Wang 氏は述べています。「今後12か月で、従来はコードを書かなかった人や、自分を作り手だと考えていなかった人が AI ツールを自在に使いこなし、自信を持ってコードをリリースできるようになるでしょう」

新しい働き方の時代へ

世界中の100万社以上の企業が、OpenAI を活用して確かな成果を上げています。